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離婚届けの証人がいない。誰に頼む?誰に頼めばよい?

 離婚の話し合いがまとまり、いざ離婚届けを出そうと思ったら、その段階で初めて証人が必要だと知ったという話は珍しくありません。ようやく話が付いて離婚届けを1日でも早く出したかったのに、、、というお問い合わせは比較的多いです。

 予め証人2名の署名が必要と解っていれば、提出までに準備ができたかもしれません。しかし、予め解っていても、なかなか頼める人が見つからないのが現実です。証人を誰に頼めば良いのか悩む事にもなります。まして、離婚届けを提出する段階になって直面した場合には尚更です。

 婚姻届けの場合には、お相手との馴れ初めや結婚に至るまでの恋バナなんかを話をして、友人・知人・親族や職場の同僚など、気軽に頼める人が見つかりやすいと思います。お願いされた方も、喜んで引き受けてくれるケースがほとんどでしょう。しかし、婚姻届けとなるとマイナスメージもあり、友人・知人に離婚の証人という十字架を課したく気持ちになったり、離婚についてや離婚の過程を打ち明けるのは気が引けて悩む方もいらっしゃいます。

 

 せっかく離婚について悩み続けて、最後の最後にまた悩みの種がという方もいますが、それほど悩まずとも大丈夫です。極端な話でなくても、証人は成人に達していれば誰でも構いません。もちろん、離婚の意味や離婚意思の合致を理解する意思能力は必要ですが、証人になるための資格や身分はありません。実際には、身近な人に頼む方が多いと思います。離婚当事者と同居している人でも、証人が二人とも同じ住所でも、何の関係もない第三者でも証人になれます。外国籍の方でも在留カードがあれば構いませんし、犯罪歴がある人でも構いません。

 

では、なぜ証人の署名が必要なのか?

離婚の証人になるという事は、下記の事を証人として証明確認するという事です

・離婚届けが真正な書類である事を証明する

・当事者の離婚意思を最終的に確認する

 

 重要な役目で責任を負うことになるのかと思う方もいらっしゃいますが、法的には何の責任も発生しません。証人になり何等の責任が発生するというリスクは全くありませんが、友人・知人とはいえ他人の離婚届けに署名するという心理的負担を感じてしまう方もいるのでしょうし、だから頼みにくいという事になります。

 証人として署名した事は、誰にも知られないのか?という質問を受ける事がありますが、究極的には判ってしまう場合があります。離婚届を勝手に出したとか離婚取消訴訟になった場合には、誰が証人になったのかも調べられるので判ってしまします。ただ、お互いの協議で円満に離婚したのならば、世間の人に証人になった事を知られる事はありません。

 とは言っても、実際に離婚届の証人になるという事は、心理的なハードルや、心理的な責任を感じます。証人をお願いする場合は、事情を正直に話する事、双方の合意はできている事、法的責任は一切ないこと、不利益も一切ないことを説明したうえで依頼した方が、後々のトラブルや人間関係に影響が出ずに済みます。