離婚届けには証人2名分の記載欄があり、2名分の証人の署名が無ければ役所は受理してくれません。しかし、証人の署名が無くても受理してくれる場合があります。それは協議離婚以外の場合です。裏を返せば、証人の署名が必要な場合は、協議離婚の場合に限られます。
離婚の方法には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚がありますが、協議離婚以外の方法による離婚は、家庭裁判所が関与する事になります。家庭裁判所では、調停委員や裁判官が離婚の過程に立ち合った上で離婚が成立しているので、それらの人が関与して証人と同じ役割を果たしているとされる為です。そのため、離婚届けの提出の際に調停調書や判決書の謄本と確定証明書を提出する事にはなりますが、それらを提出すれば証人の署名は不要です。
離婚届けの記入欄には、離婚の種別や確定日を記入する欄があります。証人の署名欄にも、調停や認諾、裁判離婚の際には、謄本や確定証明書の添付をするように記載があります。
ご参考
協議離婚 家庭裁判所の手続きによらず、夫婦間の話し合いで離婚について決める
調停離婚 家庭裁判所の調停で、調停委員を介した話し合いで離婚について決める
審判離婚 些細な事で調停が不成立となる場合に、裁判官が離婚内容について判断する
裁判離婚 裁判官が双方の主張や証拠をもとに、離婚内容について判断を下す
我が国の離婚の約9割が協議離婚という事を考えると、ほとんどの離婚者は証人をお願いする事になります。離婚届けの証人は、成人であれば誰でもなれます。夫婦の両親や兄弟姉妹、共通の友人、職場の上司や同僚などの身近な人に頼むのが一般的ですが、そうは言っても婚姻の時とは違ってお願いしにくい現実もあります。証人は家庭裁判所で離婚に関与した人がいる証明と同じような証明の為に署名するので、当事者双方に離婚意思が本当にあるのかどうかを確認すべき義務があります。
どうしても頼める人がいない場合には、証人代行の業者に依頼するのもありですが、行政書士や弁護士のような法律の専門家が安全です。士業は情報管理や守秘義務を課せられており、資料の保管義務も課されているので安心だと思います。離婚に関する業務を扱っている専門家なら、法的なことや手続き的なことも聞けます。また、いろんな事案に対応している為、カウンセリング(相談)でアドバイスを得たり不安を解消する事もできます。