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離婚での公正証書とその意義

 

 離婚の種類については別でお話致しましたが、公正証書とは協議離婚での取り決め、とりわけ養育費についての取り決めがある場合には、公正証書にしておいた方が債権者(養育費を受け取る側)にとって、支払いがされなかった時に取り立てやすくなるという便利なものになります。

 通常は金銭債権について強制執行をするには、予め裁判で勝訴判決を受けた上で執行文を付与して貰うという手続きを経たうえで、強制執行が可能になります。しかし、公正証書に債権債務関係を明確にして関係者が間違いないと公証人の前で予め証明することで、その権利関係は争いが無い事になり裁判をする必要が無くなります。更に予め強制執行認諾条項を入れておく事で、関係者が強制執行を実施する・強制執行に服する旨の確認も公証人が関係者の間違いないという意思確認をする事で、執行文付きの判決と同じ効力を持つことになります。

 離婚の際に公正証書にする意義は、極端な話ですが、上述したような執行文付きの判決を経ずとも強制執行できる事以外にはありません。金銭消費貸借も同じ理由で公正証書にした方が良いという訳です。

 公正証書にしておかなくても養育費を支払い続ける人もいるし、子供がいなくて養育費の取り決めは無いとか、子供がいても監護権を有する側が養育費用を持つような場合には、公正証書にしなくても構わないとも言えます。

 面会条項があろうがなかろうが、子との面会は強制執行には馴染まない性質のものなので、極端に言えば書いても書かなくても関係無いと言えば関係無いです。

 ただ、お互いに感情的になっているので、金額のような要素的な所ではなく「てをには」とかどうでもよい所で、あーでもないこーでもないと、どちらかが嫌がらせ的な難癖を付けて法律的な内容は一切変わらないのに、一度決めた内容は変わったりもしますが、内容が変わらずとも何故か協議が延び延びになったりもします。

 どちらにも離婚原因がなければ親権や監護権は、男女平等なんて言われるご時世でも、ご存知の通り裁判では女性に有利です。子供は女性が育てた方が良いとの風習・慣習的なものもありますし、生物学的な事や子育てについての世間的な考え方がそうなのかもしれません。男性側に離婚原因がある場合には当然そうですが、そうでない場合も男性側にとっては女性に有利な感じもしますが、それは女性に有利なのではなくそこが基準になっている、男性側には女性側が有利と思える事でもそれがフラットな基準だという認識で協議すれば円満に早く解決できるのかな、とは思います。

 協議が整わず調停となると1~2年はまとまらず、その間は離婚も成立せず(協議が整ったら離婚届を出すのが一般的)、別居してれば養育費も宙ぶらりんなんて事にもなりかねません。

 弁護士は依頼人の利益の為に争いますが、行政書士は合意形成されたものを権利義務に関する書類、事実証明に関する書類として書面作成をしますので、どちらの見方でも無いとも言えます。お互いの希望のすり合わせをお手伝いしながら、円満な合意形成までサポート致します。

 書面にせずとも円満に離婚できるかたにはご縁の無い話ではありますが、公正証書にしておきたい、離婚給付等公正証書にせずとも離婚協議書を作っておきたいとお考えの方は、是非、弊所にご相談下さい。

 子供がいない、子供がいても監護する側が養育費は負担して一方からの支払いは無い、子供がいても面会は不要、そんな場合でもなければ、お金のやりとりや子供に合わせる段取りなどをするので、子が成人するまでや養育費の支払い期限の到来まではお互いの縁は切れません。できるだけ早めにお互いのすり合わせにより協議終え、円満に離婚するのが再出発への門出になるとは思います。同じ相手と再婚するような事でも無ければ、離婚協議は夫婦として最後の共同作業になります。できるだけ穏便に円満に後腐れなスッキリと離婚ができるお手伝いができれば幸いです。そうは言っても、なかなかスムーズに合意できないのが現状でもあります。

 

 弊所では、一般的な決め事とその一般的な内容をベースに、双方からのアンケート形式で希望を記入・お伺いし、折衷案や一般的な案、裁判になっても通例はこうなります、なんてお話をしながら擦り合わせを致します。公正証書を作成する前段階での離婚相談も承りますので、お気軽にお問合せ下さい。20代では少数派、30代ではチラホラ聞くようになり、40代ではバツイチだらけどころかバツ二もチラホラ、更には再婚だらけ、そんな感覚を私自身は感じてきました。3組に1組が離婚する時代なので、気が引ける必要もありませんし、何ら気兼ねする必要も無く、ご相談下さい。かく言う私も離婚経験者なので、いや~な思いは十分理解しております。

 

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